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同人漫画「FEGEAR」(日本語)8話「疑惑の町」

創作ロボット漫画、日本語版第8話

反フィーギア組織・旧産業回帰戦線の突然の襲撃により、機体を停められ

カルムとフォルナンディは捕らえられ彼らの捕虜となってしまう。 

残されて途方に暮れるエンリとキマは、連盟の視察の
警備の際に出会った傭兵・レヴァンとその仲間たちと再会する。
エンリは彼らにカルムの救出を依頼しようとするが…。


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「はげしく争った跡はないな」
「たぶんおとなしくしたがって捕虜になったんだろう」
「じゃあ、さっそく連絡を…」 「待ちな」
「捕虜にされたなら端末はとりあげられるか捨てられてるだろうし、」 「つながってもこっちのことを探られかねない」
「連絡はあきらめたほうがいいよ」 「はい…」
「とにかく、こんなところに長居は無用だ」
「おまえらの機体といっしょにここを離れようぜ」


FEGEAR 8話:疑惑の町
猿田久


キィイイ

「すいません 機体運んでもらって」 「なあに、気にすんな」
「タダじゃねえしな」 「え!?」
「安心しろ ガキから大金取りゃしねえよ」 「…………」
「えっと、レヴァンだっけ…?」
「この町には仕事で来たの?」 「ああ、ちょっくら警護の仕事でな」
「レヴァンたちは…傭兵なんだよね? 腕に自信は?」 「まあ、それなりにな」
「仕事…依頼できたりする?」 「!」
「カル兄…、兄貴たちを救けるのを手伝ってほしいんだけど……」
「…! そりゃあ…」 「冗談じゃないよ!!」
「旧産戦相手にしろっての!? こんな町、仕事終わったらさっさと出ていくつもりだったのに…!!」 「おちつけ、ジャンカ」
「まあ、仕事を請けるかはともかく、」
「フィーギアを隠せておちついて話せるところに行こうぜ」

「オレたちがさっき停めたこの機体…」 「ハーヴァルの中級クラスの戦闘型らしい」
「いままでで一番の戦果だ」 「おお!」
「連盟派のヤツらにオレたちの力を見せつけるいいアピールになるだろう」
「そのパイロットも捕虜にしたが…」 「アイツらの持ち物これで全部か?」
「端末にもとくにあやしいデータもファイルも入ってなかった」 「けどザマン…」
「やっぱり工作車もねらうべきだったんじゃねえか? 重要な情報もってたのはあっちだったかも…」 「おい、よせよ!」
「…………」 「てめえ…」
「オレのやりかたに文句あんのか?」
「………!」 「い、いや…!」
「ならいい」 「どこ行くの?」
「捕虜どもの様子見てくる」

コッ コッ

コッ

「おい、いいかげん落ちつけ」
「おまえはよく落ちついてられんな!」 「あせってもしかたないだろう」
「今は待つしかない」
「状況が変わるのをな」 「おまえの妹弟か旧産戦どもが動いてな」
「そうだけどよ…」 「おい」

カチャ

「メシだ、食え」
「フン、こんなものが食えるか」

カラン

「捕虜がぜいたく言うな」
「なあ」
「これおまえが作ったのか?」
「そうだ なんか文句が…」 「あるよ」
「塩が多すぎるしダシがうすい」 「せっかくの材料、粗末にすんなよ」
「おい、なんだコイツ?」 「気にするなただのバカだ」
「言うとおりにやってみろよ もっとうまくなるから」 「…………」
「あれ、作りなおし?」 「うるせえ!」
「今度はどうだよ?」 「ダメだ」
「今度は塩が少なすぎだ」 「野菜の大きさもバラバラ、これじゃちゃんと火が通らね…」

ジャラッ

「だったらてめえが作ってみやがれ!!」
「妙なマネしたら即ぶっぱなすからな」 「台所で鉄砲出すなよ」

トン トン

グツ グツ

「…………!」
「できたぞ」
「食ってみろよ」
「!」
「うめぇ…!!」 「ホントだ! メチャクチャうめえぞ!!」
「これにくらべたらザマンの料理なんてブタのエサだぞ…!!」 「なにぃ!?」
「もっとくれ!」 「オレも!!」
「…………」
「おう、食え食え」

グイ

「…………」 「ねえ、ザマン コイツ仲間にしようよ!」
「ふざけんな! コイツは捕虜…!」 「…………」
「まあ…、」 「捕虜の仕事くらいはさせてやるか」
「おい」

ドカッ

「このナベいっぱいにその料理作れ」
「なんでだよ?」 「いいから作れ」
「で、ついてこい」

ドルル

ドルルル

「どこ行くんだよ?」 「だまって乗ってろ」
「んだよ、感じ悪ぃ…」 「…!」
「つぶれた工場…?」 「!」
「ハーヴァル…!?」
「なあ、あれフィーギアの工場…?」
「だまって乗ってろって言ってんだろ」
「………!」

ドルン

ザッ

「なあ、ここは…」 「ザマン!!」
「おーい、みんなー ザマンが来たぞー!」 「ザマン!」 「ザマン!!」 「おう、おまえら 元気にしてたかー?」
「今日はうまいメシたっぷりあるぞー」
「うめー!」 「すごいおいしー!!」
「オラ、捕虜 モタモタすんな」 「じゃあこれはずせよ!」
「ねえ、ザマン おかわりいいー?」
「おう、遠慮すんな どんどん…」 「おい」
「…とうちゃん!」 「石掘りにいくぞ、準備しろ」
「オラ来い!」

グイッ

「イヤだあ!」
「石なんてもういくら掘っても出てこないよー!!」
「おい、やめろ!」 「ケッ、テロリストはだまってろ」
「どうせ今から餌付けしてあとで手下にするつもりなんだろうが」 「…………!」
「ちがうよ! ザマンはそんなこと…!!」 「!」

ガッ

「父親よりテロリストの味方すんのかぁ!?」

グアッ

「やめ…!?」

ダッ

ガッ

ドシャ

「親父が子供なぐってんじゃねえ!!」
「おい!」
「ここのヤツらといいあの工場といい、この町どうなってんだ!?」
「説明しろ!」 「…………」

トン

「この男知ってるか?」
「なんだこのオッサン?」 「連盟の人間か?」
「ああ 今はそうだが以前はこの町にいた…」

ギリ…

「コイツとフィーギアのせいでこの町はこうなったんだ……!」

「ひどいもんですね」 「町一番のレストランでこの料理とは…」
「この町のお金の廻りが悪い、いい証明ですよ」
「うちの社長は旧産戦もこの町の状況も改善したいと思ってますけど…」
「彼らも彼らを支援してるあなたもそんな気はないみたいですね」
「ずいぶんと薄情じゃないですか」
「あなた、元・町長なのに」
「わたしはその町の出身ではないし、」 「かんたんに町のトップになって実績を得られそうだから行っていただけだよ」
「そうそう 最近なかなか見どころのある少年を雇ってね」
「以前はフィーギアのパーツの調達をさせていたんだが…」 「わたしとそちらの仲介役をまかせることにしたんだ」
「いずれきみとも顔をあわせるかもしれないね」