創作ロボット漫画、日本語版第7話
警部・ジルマンはカルム達4人に、急進の反フィーギア組織「旧産業回帰戦線」
の解体工作を依頼する。 その組織にサウリーが関係している疑いから、
カルム達は依頼を請けて彼らの本拠地の町に向かう。 危険な噂の絶えない
その町で一体何が待っているのか…。
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キィイイ
「!」
「検問…?」
「地元の警察?」
キッ
「戦闘用フィーギアに工作車…」 「傭兵か?」
「あ、はい…」 「こんなあぶない町によく来るよな」
「ま、せいぜい死ぬなよ」 「…………」
FEGEAR 7話:旧産業回帰戦線
猿田久
「今回われわれ警察がきみたちに依頼したい仕事は…」
「反フィーギア組織、「旧産業回帰戦線」の解体工作だ」
「先日きみたちとともに逮捕した犯人への取り調べで、」 「貴重な情報が得られた」
「どんどん勢力を伸ばしているこの組織だが、」 「内部では揉めごとが絶えないらしい」
「きみたちには彼らの本拠地の町に行って工作をおこなってほしい」
「きみたちの実力ときみたちが組織内にいるとみられるサウリー=クリークを追っていることを理由に依頼しているが…」
「わたし個人は気がすすまない」 「あまりに危険だからだ」
「その町では彼らが力で住民を支配して、」 「暴虐のかぎりを尽くしているそうだ」
「だから依頼を受けるかはきみたちの意思にまかせ…」 「決まってるでしょ」
「やるよ」 「サウリーに近づけるならね」
「姉さん…」 「そうだな」
「アイツがなにかしようとしてるならほっとけねえな」
「フォル、アンタはどうする?」
「報酬次第だな」
「どうする? コイツいればかなりちがうけど」
「わかった」 「可能なかぎりの報酬を約束する」
チラ
「?」
「あの、なにか…?」 「ああ」
「子猫ちゃんのことだ」「姉さんの?」
「彼女…、」 「サウリーを殺すつもりだろう?」
「………!」 「警官のわたしにはハッキリとは言ってないが眼に殺意があるからね」
「だから、きみに彼女を見ていてほしいんだ」
「われわれもサウリーをほうっておけないからきみたちに協力しているのであって」 「きみたちに人殺しをさせるためじゃない」
「…………」 「キマ」
「キマ!」 「!!」
「どうしたの? もう検問通れるよ」
「…………」 「あ…、うん」
グッ
ブルルル…
「ふざけてんのか、てめえら!!」
ガッ
「また連盟からフィーギアの提供受けたらしいな!!」
「てめえら情けなくねえのか!?」
「あんなヤツらにしたがって…! そもそも…」
「オレたちは反フィーギアだぞ!」 「矛盾してんだよ!!」
「おい、ザマン もうやめとけよ…」 「うるせえ!!」
「コイツら今日という今日は…!」 「やめなよ」
「まったく、きみたちは…」
「活動するより揉めてる時間のほうが長いんじゃないのか?」
「あ、どうも キロ部長」 「ちっ ハーヴァルの重役のおでましかよ」
「何しにきやがった?」 「ああ、社長の命令でね」
「きみたちをもうすこし仲良くさせるように言われてね」
「ほお、じゃあなおさら無理だな」
バッ
「行くぞ、ギライ」 「おい、ザマン…」
バタン
「ちっ」 「まったく面倒だね バカだからか子供だからか…」
「まあ、すぐにわかるさ」 「世の中理想だけじゃやっていけないってね」
「きみたちも大人なんだからもうすこし歩み寄ってやりなよ」
「きみたちはよくも悪くもこのあたりの中心なんだ」 「きみたちの活動に問題があると…」
「このあたりのお金のまわりも悪くなるんだよ」
「じゃ、一杯やりながら仕事の話をしようか」 「はい」
キイィイ
「このあたりから旧産戦の中心支配地域だよ」
「なあ」 「なに?」
「オルディンに乗ったまま入っていいのか? 目立っちまうんじゃ…?」
「相手もフィーギアを持ってる 襲われても対応できるように乗ってたほうがいいよ」
「組織の理念とは矛盾してるけどね」 「…………」
ギィン
「!?」
「……!?」 「銃撃!?」
ダダダダ
キン キン キン キィン
「………!!」
「林の中から複数で…!?」
「小型機か!?」 「いや…」
「大きさ170センチほど、温度が36度ほどの反応が複数…」
「生身の人間だ」 「あぁ!?」
「工作車はどうする?」 「ほっとけ」
「フィーギアだけねらえ」
ギン ギン ギィン
「ギライ 機体の背中をねらえ」
ガチャ
「おう」
ドン
ガァン
「!!」
「ヤロウ…!!」
チュゥン
ドォン
「おい、ちゃんとねらえ」 「バカヤロ! 相手は生身だぞ!!」
「エンリ!!」
「相手の攻撃の予測たのむ!!」 「無理だって! こんな相手今まで一度も…!!」
ドドドドド
「くっそ…!」
バッ
カチッ
ドォン
「!!」
ズルッ
ザザザザ
「カル兄! フォル!!」
「キマ! ふたりを追って!!」 「うん!!」
ドルン
「…やあ」
「みんな元気そうでうれしいよ」
「…………」 「あ…、あ……」
「ひさしぶりにゆっくり話そうよ」
「サウリー……!!」
「あちこち壊れてる 動くのは無理だな」 「…………」
「マジかよ……」 「フィーギアが生身の相手に停められるなんて……」
「おい」 「!」
「さっさと出てこい」
ザッ
「どういうつもりだ オレたちはなにも…」 「フン」
「ことわりもなくオレたちの領地に入ってきたからだよ」
「フン、見境なしか さすが連盟の手先…」
ガッ
「フォル!!」
ドシャッ
「オレたちはそんなんじゃねえ」
「オレたちはな」
「オラ、ついてこい おまえらは捕虜だ」 「…………」
「僕ばかり話しちゃったね」 「じゃあ、また」
「愛してるよ」
ピーッ
「…キマ」 「…!」
「ふたりに連絡して…」 「あ…、うん」
「兄さん、フォルさん 大丈夫?」
「聞こえるなら応答して」
「ダメだ、返事がない…」
ドッ
「たぶん捕虜に…、いや、」 「もう殺されてるかも……」
「あきらめちゃダメだよ! まだ殺されたってわかったわけじゃ…」
ズシン
ズシン
「ねえ、レヴァン この子たち…」 「ああ、前にいっしょに仕事したな」
「おまえら…」
「こんなところでなにやってんだ?」
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