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同人漫画「FEGEAR」(日本語)6話「ジルマン警部」

創作ロボット漫画、日本語版第6話

工事現場での事故に巻き込まれたキマ達を救うために協力したことでカルムと
フォルナンディの仲直りは成功した。 ふたりの働きを見たエンリは警察から
正当な報酬を受け取るために4人で協力者の警部、ジルマンに会いに警察署に行く。 
しかしエンリにはそれ以外の目的があった…。


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「いいかい? 警察というのはね、」
「圧倒的な権威と戦力で」 「国の秩序を守る絶対的な組織なんだ」
「きみたちみたいな子供に簡単にしたがっていてはメンツが立たないんだよ」
「なんだこのムカつく女は?」 「まあ まあ」
「そんな警察にものを頼むんだから」 「それなりの対価をいただかないと」
「聡明なきみならわかるよね?」 「…………」


FEGEAR 6話:ジルマン警部
猿田久


「いやー、きみはまた愛らしくなったんじゃないか? 子猫ちゃ~ん」

ピコ ピコ

「子猫ちゃん言うな!」
「きみは運命を信じるかい?」 「わたしは信じるよ」
「わたしたちの出会いもまちがいなく…」 「…………」
「ホラ、もういいだろ 返せよ」

グイッ

「あ……」
「まあ、対価はいただいたし…」
「その署にはわたしから話しておこう」 「あ、そう ありがと…」
「…………」 「それにしても、」
「事件を解決してもらっておいてこの恩知らずぶりとは」 「警察のいい恥さらしだよ」
「さて、」
「飲みものを5人分持ってきてくれるかな」 「はい、警部」
「つづきは座って話そうか」 「え?」
「まだ話は終わりじゃないんだろ?」
「わかるの?」 「わかるさ」
「あの時からもうけっこう経つからね」

ザァアア

ピーッ

「どうぞ 開いてるよ」
「警部、玄関に行ってください」
「ずぶぬれの子供が3人来てて…」 「えらい人間に会わせろと…」
「………?」

ザァアアァ

「きみたちは…?」 「アンタたち警察だよね…?」
「悪いヤツ捕まえるのが仕事だよね…?」 「なら、協力してよ…」
「ものすごく悪いヤツ知ってんの」
「とにかく、シャワーをあびて着替えるんだ」 「そのあとで話を聞こう」
「警部、あんなあやしい子供を信用するんですか?」
「ただのイタズラなんじゃ…」 「たしかにあやしいね」
「だが、」 「あの眼…」
「あれは本当におそろしい目にあった人間の眼だよ」 「それこそ地獄のような…」
「…………」 「たしかに話を聞くまで信用すべきではないがね」

ウィーン

「やあ、待たせたね」
「すこし食べるといい 話はそのあとで」 「ああ」
「ありがと」
「たすかったよ 警察って思ってたより親切…」

ズイッ

「きみ…」
「年はいくつだい? わたしといっしょに遊ばないかい!?」 「!?」
「な…、なによこの変態!? 警察呼んでよ…!!」 「エンリ…、ここ警察署……」
「まあ、そういうわけだよ」
「大人として、苦しんでる子供をほうっておけないだろ?」 「なるほどな 後半はどうでもいいが」
「そういえば…」
「きみははじめて見る顔だね」 「ああ、コイツ?」
「フォルナンディ=イージン 金が要るっていうからバイトで使ってやってんの」 「へえ」 「おい、だれがバイトだ」
「…………」 「きみ…」
「どこかで見た気がするんだが…」
「いや、わたしの記憶ちがいだろう」 「忘れてくれ」
「じゃあ、話にもどろうか」
「きみがわざわざわたしに会いに来た理由はなんだい?」 「うん」
「反フィーギア組織、」 「「旧産業回帰戦線」って知ってる?」
「もちろん」
「最近できた新しい組織で、」 「積極的に活動していてどんどん名を上げてるね」
「だが反フィーギア組織を名乗ってはいるが」 「その実態は、」
「連盟の手先の実行部隊だとウワサされてる」 「汚れ仕事をさせつつ、反フィーギアの評判を落とさせる 連盟のやりそうなことだよ」
「その組織がどうかしたのかい?」 「…………」
「カル兄の仕事場に来た視察の殺害」
「このあいだあたしたちが警備した視察官への襲撃」
「ほかにも連盟の人間がねらわれる事件が続いてる」
「ソイツらがやってるんでしょ?」
「なるほど」 「今日はその確認に来たわけか」
「そのとおり」 「最近の連盟関係者への襲撃は彼らの犯行だ」
「で、きみがそこまで連中にこだわる理由はなんだい?」
「この前アンタがくれたこの動画、」
「ここで取引してるのがその「旧産業回帰戦線」だっていうのはつきとめたけど」
「その中に…」 「ああ」
「いるね」 「サウリー=クリークが」
「だからこの組織を追えば…」 「ヤツにたどりつけるというわけか」
「しかしたいした執念だね よく自力でそこまで…」 「当然でしょ」
「あたしはアイツに報いを受けさせるためだけに生きてるんだから」
「こちらでも連中へは捜査を続けてる 被害を受けてるのは連盟の人間だけじゃないからね」
「連盟とのつながりの可能性についても捜査しているが、連盟内部の情報だからなかなかね…」 「…………」
(おそらくヤツがかかわってるな)
「ハーヴァル財務部部長、」 「マイルシャール=キロ…」
「部長にこのデータの確認たのみたいんだけど…」 「ダメ、今は無理」
「部屋で仕事中」 「ああなったらしばらく相手してもらえないよ」

ピピー ピピッ

「よしよし 今日もわが社のお金がいい感じに世界をめぐってるな」

ピーッ

「ああ、もう だれだよ 仕事中に!」
「…社長?」
「どうも社長 なにかご用ですか?」
「まあ、見当はついてますけどね」 「最近「旧産業回帰戦線」の連中を使いすぎだって言うんでしょ?」
「でもね」

トン

「コイツらが悪いんですよ 僕がお金を都合してやったのに」
「自分の地元の会社に投資しようとしたヤツ…」
「自分の借金の返済にあてようとしたヤツ…」
「もう長いつきあいなんだからわかるでしょ?」
「僕はね」 「お金を正しく使わないヤツが一番嫌いなんですよ」
「もうすこし寛容になってくださいよ」 「あなたはたしかに優秀な経営者ですけど、」
「僕たちの協力がなければハーヴァルはここまでの会社にはならなかったんですから」
「え? 話はそれだけじゃない?」 「旧産戦の連中が…?」
「…………」 「アイツら…またですか?」
「わかりました」 「僕が現地に行って対応します」

パァン パン

チュウン チュウン

ギャギャ ギャ

「ピルセン社の工場を襲撃した反フィーギア派の機体が市街地を逃走中!」 「住民のみなさまは建物の外に出ないでください!!」
「うわっ!」

ギャンッ

「くそっ、すばやい!!」 「それにアイツ…!」
「進路が予想できない!!」 「オレたちをふりまわして遊んでやがる…!!」
「警部!!」 「ああ、こちらで対応する」
「これだけ相手のデータがあれば十分だろ?」
「あとはたのんだよ子猫ちゃん」

カリ カリ

「子猫ちゃん言うな!」
「よし」
「カル兄、相手は94パーセントの確率で5分13秒後に4番交差点の南から来る」 「それと、キマが画像送った」
「相手の機体の弱点は左脇腹のケーブル束だって」 「わかった」

ブロロ

キキィ

「!?」
「…………!?」

ダッ

ザンッ

ガシャア

「機体を停めたよ」
「犯人確保しに来て」 「了解」
「ごくろうさま あいかわらず見事な仕事だね」
「少々荒っぽいのもあいかわらずだがね」 「うるせーな」 「すいません」
「あの犯人もしかして…」 「ああ」
「旧産戦のメンバーの可能性が高いそうだ」 「取り調べで新しい情報がつかめるかもしれない」
「またきみらに面倒をかけることになるかもしれないね」 「いいって」
「協力とひきかえなら悪くないし」
「ありがたいね」 「もちろん正当な報酬も支払うよ」
「わたしは誠実な警官だからね」