創作ロボット漫画、日本語版第5話
強力な反フィーギア派の襲撃を他のパイロット達とともになんとか退けた
カルム達。 しかし襲撃の最中に姿を消していたフォルナンディに
カルムは激怒し、ふたりの関係は険悪となってしまう。
それを見かねたキマはふたりの関係をなんとか修復しようと行動に出るが…。
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「今日はフォルさんはいっしょじゃないの?」
「ねえ、兄さん」 「知るかよあんなヤツ!」
「どうせまた仕事放り出して、金稼ぎでもしてんだろ!!」
「............」
ザッ
「なんとかふたりを仲直りさせないと!」
「このままじゃケンカ別れになっちゃうよ!!」 「そうなっても…」
「しかたないんじゃない?」
FEGEAR 5話:救出
猿田久
「そんな…」「アイツが仕事放り出したのは事実だし、」
「あたしもそんなヤツ信用していっしょに仕事したくない」
カリ カリ
「ダメだよ」 「え?」
「あんなに兄さんと息の合う人、もう他にいないかもしれない」
「ううん」 「そんなことより…」
「あのふたりにこんな形で別れてほしくない!」
バッ
「ちょ…、キマ?」
ピッ ピッ
「もしもし親方、おひさしぶりです」
「急にすいません」
「今…、」 「僕にできる仕事ないですか?」
「兄さん」
「キマ?」
「いっしょに乗せてってよ 僕も今日現場で仕事なんだ」
「フォルさんも」 「!」
「いっしょに行こうよ」 「いらん」
「コイツでタクシーを呼ぶ」
「勝手にさせろよ行こうぜ」 「フォルさん」
「あのアメ好きだったよね?」
「僕、あれ持ってる子知ってるよ」
ガシャン ガシャン
「............」 「............」
「では、今日も事故に注意してがんばって働きましょう」 「はい!」
「気をつけてな」 「はい」
「おい」
「アメを持ってるのはおまえか?」
「............」 「はい?」
「でもうれしいですうちのアメをそんなに気に入ってくれて」
「うちの?」 「はい うちのお父さんアメの職人なんです」
「でも、全然売れなくて…」 「お父さんはもうやめて普通の仕事するって言ってるんですけど、わたしとお母さんはどうしても続けてほしくて外で働いてるんです」
「............」
「世の中本当にうまいものの価値もわからんヤツばかりだが…」
「そうでないヤツもいる」 「そういう相手に気に入られる努力をすればいい」
「はい ありがとうございます!」
「あの、もしよかったら…」 「あ、いたいた」
「おまえら親方が探してたぜ」
「この洞窟に入って、なにか問題がないか調べてほしいんだ」
「おまえらにやってほしい」 「はい!」
「おまえが一番うまくやれる仕事だしな」 「そうですね」 「?」
「で、外からの指示を…」
「カルム、フォルナンディ おまえらたのむ」 「あぁ!?」
「おい、キマ!」 「じゃ、行こうか」 「はい」
「............!!」 「おい、カルム はやく準備しろ」
サワ サワ
「ここは大丈夫かな」 「何してるんですか?」
「なにか問題がないか調べてるんだ」 「さわっただけでそんなのわかるんですか!?」
「こうすればどんな材質や仕組みでできてるかなんとなくわかるんだ」 「僕が機械いじりができるのもこれのおかげなんだ」
「へえ…」
「てめえ、いい加減にしろよ!!」
「さっきからいやらしいケチばっかつけやがって!!」
「おまえがバカすぎるのが悪いんだろう」 「おい、落ちつけカルム!」
「もうやってられっか! てめえなんかとはもうおさらば…!!」 「もしかして…失敗した…?」
ゴォン
「!?」
ゴゴゴゴゴ
「……!?」 「地震!?」
グラ グラ
「おさまったか…?」 「!」
ガラガラガラ
「!!」
「洞窟が…」
ガッ
「おい、キマ! 聞いてるか? 生きてるか!?」 「うん、大丈夫…」
「入り口は埋まっちゃったけど…」
「待ってろ、すぐに出口教えてや…」
「出口が…」 「ない…?」
「なぜわれわれ連盟が救助を出さねばならないんだ?」
「なぜって… そちらから請けた作業してるんですよ! それにそちらの救助が一番早く来られ…!!」 「だからなんだね?」
「そちらの管理不足が原因だろう」
「自己責任だよ 自分たちでなんとかしたまえ」
ブツン
「………!!」
ガァン
「クソがァ!!」 「............」
「地元の救助隊にも連絡しましたけど…」 「すぐには来られないって……」
ダッ
「キマ! ホントに出口ねえのか!?」
「うん、全部行きどまり… ここも大きい岩があって…」 「岩…!?」
ザザッ
「!!」
「............」
「その岩、どんな感じだ!?」 「ちょっと待って!」
「大きいけどそんなにぶ厚くなさそうだし、むこう側は外だと思う…」
「でもすぐに削ったりするのは…」
グラッ
ドシャア
「きゃあっ!!」
「.........!!」 「こわいよぉ......」
「おとうさん、おかあさんたすけてぇ!!」
「大丈夫…! 絶対兄さんが救けてくれるから…!!」
「.........!!」
ダッ
ザッ
「オルディンで岩に穴開ける」
「手、貸せ」
「おまえ…」 「どこまでバカなんだ…?」
「それにもうオレとは組みたくないんじゃ…」
「撤回だ」
「金が要るのか? いくらだ?」
「オレの給料一年分か? 一生分か?」 「............」
「代金はもうもらってる」
「おせっかいな弟に感謝しろ」
「いいな カルム」
「絶対によけいな振動を与えるなよ」 「ああ」
グラッ
「……!!」
パラパラ…
「…!!」 「あせるなよ」
「………」 「おまえこそちゃんと集中しろよ」
「だれに言ってる」
グッ
ザッッ
ドスッ
ピシッ
ズ…
ザザ…ッ
コンッ
グ…
ズズ…ッ
ズ…ッ
ワァアア
「やった……」
ドッ
「やったぞ…、ははは…!」 「…………」
「…なあ」 「なんだ?」
「ありがとよ」 「おまえがいなきゃアイツら救けられなかった」
「あの時は熱くなっちまったけど…」
「やっぱりオレにはおまえがそんないいかげんなヤツには思えねえんだ」
「………」 「だから、」
「もうすこし信じてつきあってやるよ」
「…………」 「好きにしろ」
「ねえ、ホントにもう大丈夫なの?」 「大丈夫だって」
「こうしてちゃんと仕事もできてるでしょ?」
カタ カタ
「…ならいいけど」
「…………」
「アンタとカル兄ががんばって、」 「フォルも助けてくれた」
「あたしもなにかしなきゃダメだよね」
「…よし」
「あした警察署に行こう」 「え?」
「ジルマン警部に直接話して、」 「この前の謝礼金ちゃんと払わせてやろう」
「僕…、あの人苦手なんだけど……」 「…あたしもよ」
「ダメだね」
「もともとその署はわたしの管轄外だし、金のことにまで口出しできないよ」
「そんなのアンタの権限でどうにでも…」 「無理だよ」
「警察は慈善事業じゃないんだタダでは無理だよ」
「…………」 「ああ、くそ」
「あいかわらずめんどくせえ女だな!」
「警察は国民のために働くもんだろ」 「えらいくせにそんなこともわかんねえのか?」
「ジルマン警部!」
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